赤ちゃんの便秘 ~ チェックポイントと対策
赤ちゃんの便秘
赤ちゃんも毎日うんちが出ることもあれば、数日間まったくうんちが出ないなんてこともあります。うんちがでないと赤ちゃんの機嫌も悪くなったり、便秘が続くとミルクやおっぱいの飲みが悪くなったり、また、腸内でうんちがどんどん固くなってしまい、でにくくなってしまうこともあります。
赤ちゃんが便秘になりやすい時期もあります
赤ちゃんには成長の段階で便秘になりやすい時期があります。いずれも、環境が変わった時 (実家から戻ってきた時、離乳食を始めた時期、普通食を始めた時期、トイレトレーニングを始めた時期など)です。
★新生児の時期
ほとんどの時間を眠っているか、仰向けの姿勢で過ごしている新生児期は、運動不足により便秘になりやすい時期です。母乳を飲む赤ちゃんよりもミルクを飲む赤ちゃんのほうが便秘になりやすい傾向にあります。
★生後2か月ごろ
生後2~3ヶ月くらいになると消化器官が発達してうんちをおなかにためられるようになり、一部の赤ちゃんは便秘の症状を起こしやすくなります。
★離乳食を始めた生後5~6カ月ごろ
離乳食開始時期の赤ちゃんも便秘になりやすいようです。固形物を食べるようになるとうんちも新生児の頃と比べると固まりやすく、いきむ力がまだ足りないことにより便秘がちになります。
便秘かどうかの判断
便が何日も出ていないし、なんだか赤ちゃんのおなかが張っている気がする…。そんなとき「便秘」の2文字が頭をよぎりますよね。相談に来るママたちも「x日間、便をしていないのですが、便秘でしょうか?」といった質問がよくきます。
赤ちゃんの場合はどれくらいうんちが出なかったら便秘といえるのでしょうか。そもそも便秘とは、便がしっかり出なかったり、出ても固いうんちのことをいいます。しかし、便秘の判断はとても難しいもの。「何日でなかったら便秘」と、はっきりいえる日数はありません。うんちの回数には個人差が大きく、1日に数回する赤ちゃんもいれば、2日に1回、3日に1回という子も。毎日うんちが出なくても体調や機嫌に問題がなければ便秘ではないのです。うんちが数日出ないとき、以下の項目のうちどれかが当てはる場合は、便秘である可能性が高いのでチェックしてみましょう。
便秘のときの症状チェックリスト
- 赤ちゃんの機嫌が悪い
母乳やミルクをたっぷり飲んで、おむつもちゃんと替えているのに赤ちゃんの機嫌が悪く泣いてばかりいる。そんなときは、便秘かもしれません。うんちがおなかにたまって不快になると、赤ちゃんの機嫌が悪くなります。
- うんちをするときに苦しそう
便秘の場合、赤ちゃんがうんちをするときに、顔を真っ赤にして力強くいきんだりして、うんちを出すのが大変そうになります。
- 下腹部が張っている
お腹がパンパンに張っているときも、数日うんちが出ていないなら便秘のサイン。授乳後のおなかは大きく膨らむので、空腹時のおなかをチェックしてみましょう。
- 母乳やミルクを飲む量が減っている
いつもより母乳やミルクを飲む量や離乳食を食べる量が減っている場合、おなかにたまったうんちが苦しくて食欲が減退しているのかもしれません。
- うんちが固く、血がついている
赤ちゃんがしたうんちを観察して、いつもより明らかに固かったり、数滴の血がついているとき。血がつく理由は固いうんちをがんばって出すことで、肛門付近に傷をつけてしまうからです。
家庭でできる便秘改善と対策
便秘は大人だってつらいもの。赤ちゃんが便秘にかかっていたり、なかなか便秘が治らないときは何かしてあげたいと思いますよね。そんなときには以下のホームケアを試してみてください。
マッサージ運動不足で便秘がちな場合にはマッサージを試してみましょう。 ねんねの赤ちゃんなら、おなかに「の」の字を描くように手でおなかをさすってあげましょう。おへその下あたりをスタート地点にして、おなか全体をやさしくマッサージします。
ほかにも、赤ちゃんの両足を自転車をこぐように動かしてあげたり、わき腹をゆらゆらしたりなど、さまざまな便秘対策のマッサージ法があります。いくつか試してみて相性のよいものを見つけられるといいですね。
赤ちゃんは、踏ん張っても、まだ筋力が足りないために「うんち」を押し出せないことが多くあります。これが続き、うんちが固くなり便秘となります。それぞれの運動、マッサージは赤ちゃんとのスキンシップにもつながります。楽しみながら、行ってください。
母乳の場合、ママの体内水分も影響することがあります。ママも水分補給に気を付けてみましょう。また、離乳食を食べ始めた赤ちゃんの場合は、水分不足も便秘の理由になります。また、離乳食が3食になった赤ちゃんは、母乳やミルクの量が減った分、白湯や麦茶など、水分を意識して取らせましょう。
赤ちゃんの水分補給で大切なことは、タイミングです。
遊びはじめてしまうと飲んでくれないことがありますので、お昼寝の後とかお風呂あがりとかがおすすめ。
もし離乳食を始めているのであれば、離乳食に便秘に良い食材を取り入れるのもおすすめです。野菜や食物繊維が不足すると、赤ちゃんも便秘がちになりますので、大豆やバナナ、さつまいも、りんご、プルーンなどの果物や野菜で食物繊維を多くとる工夫をしてみましょう。乳酸菌が含まれるヨーグルトを食べたりすると便が出やすくなります。また、オリゴ糖の中で赤ちゃんに与えても良いものをヨーグルトに混ぜてあげても良いですね。果物やオリゴ糖をヨーグルトに混ぜて食べれば、便秘対策デザートになりますね。
ほかにも、柑橘類には便を柔らかくする働きがあるので、みかんやオレンジなどの果汁を飲ませることも効果的です。また、1才以上の赤ちゃんの場合カットのサイズなどを工夫するとすんなり解消することもあります。
食事やマッサージを試しても改善が見られない場合は、浣腸もひとつの方法です。ここでは、薬剤を入れるものではなく、綿棒やこよりを使って刺激する方法を紹介します。
やり方は、和紙でつくったこよりか綿棒の先にベビーオイルなどをつけて、赤ちゃんの肛門に出し入れします。いきなり肛門の中に入れるのではなく、まずは肛門をつついて刺激を与えます。これだけでうんちをする赤ちゃんもいます。続いて綿棒のコットンの部分だけを出し入れします。1歳に近い赤ちゃんだったら綿棒の先で円を描くように少し強めに刺激しても大丈夫です。
綿棒浣腸は効果が出るのが早いため、している最中にうんちをしはじめるケースも多々あります。行う際は替えのおむつをスタンバイしてから始めましょう。
それでもなかなか改善しない場合や、赤ちゃんの機嫌が悪いく、ミルクなどを飲む量が減ってしまい、体重が順調に増加していないなどの場合には、早めに受診するようにしましょう。
2日間でない時は、まず綿棒浣腸をしてみましょう。
● 綿棒浣腸の使い方
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1. 綿棒の白い部分にベビーローション、または、ベビーオイルをたっぷりつけます。
2. 赤ちゃんの肛門部に綿棒の白い部分を入れます。
3. 綿棒をゆっくり回します。
数日間どうしてもでないときは、浣腸で排便リズムを
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便秘を放置していると、日がたつにつれ、「うんち」がカチカチになってしまいます。
そうなってしまうと、出るときに肛門の粘膜をキズつけることがあります。肛門がキズつくと痛く、赤ちゃんは「うんち」をするのが怖くなって、「リキむの嫌だ、痛い」という気持ちが働き、うんちを排出することにためらいをもってしまいます。このトラウマこそが便秘の最大の原因です。
赤ちゃんは、自力排便の学習の時期です。ただし、どうしても便秘の時期というものがあります。必要以上に浣腸を使う必要はありせんが、必要なタイミングで、生活リズムを保持してください。
また、赤ちゃんが自力で排便をしているときは 「ガンバレ」と応援して、うまくできた時は、おおいに喜んで褒めてあげてください。赤ちゃんマッサージ
赤ちゃんの便秘解消に役立つマッサージをご紹介します。
❶「の」の字マッサージ
手のひらをおなかにあてます。おなかの腸のある方向をイメージして、手のひらで「の」の字を書くようにおなかをやさしくさすってください。ちょうど、大腸の通り道にそってマッサージをするので、便が出やすくなります。特に左足の付け根の部分をよくマッサージしてあげましょう。出口に詰まったうんちが、でやすくなります。大人の方にも便秘解消の効果があります。
❷ ゆらゆらマッサージ
赤ちゃんのやわらかいおなかを包み込むように、両方のわき腹に手をあてて、5回~10回、左右にゆらゆら揺らします。おなかにガスが溜まったときに効果があります。
❸ ペダルこぎ運動
赤ちゃんを仰向けに寝かせ、ママが赤ちゃんの足首をもって左右交互にペダルこぎの要領で膝がおなかにつくように、足を前後にゆっくりうごかします。
腸の出口や腸の全体をマッサージします。無理に力を入れずに、赤ちゃんの股関節の柔軟性に注意しながら、いやがらない程度に動かします。
❹ おしりゆらゆらマッサージ
右手で、赤ちゃんの左膝を外側に曲げて、かかとをおなかにつけ、左手をお尻の下にあてて、5回~10回、左右にゆらゆら揺らします。その後、左右反対にして、5回~10回、左右にゆらゆら揺らします。
❺ お腹まわりリラックスマッサージ
片方の手で、赤ちゃんの両足を持ち、反対の手をお尻の下にあて、やさしくささえてあげます。膝を柔らかくし、股関節を開いてあげます。5回~10回、左右にゆらゆら揺らします。うんちが出やすくなるようにリラックスするマッサージです。
❻ 仕上げマッサージ
赤ちゃんの体を肩あたりから足にかけて、5回~10回なでてあげます。
マッサージを終えた後に行います。「マッサージ、がんばったね」と赤ちゃんを褒めてあげてください。赤ちゃんも喜びます。
赤ちゃんの便秘はよくあること
いつでも快便なイメージがある赤ちゃんですが、じつは便秘の症状を持つ赤ちゃんはとても多いんです。成長に伴い消化器官などができあがる5歳くらいになると少なくなるようです。少しでも快適にうんちを出せるよう、マッサージや水分補給、消化のいい離乳食でサポートしてあげてください。